男はこういうだろう。


『お前は、世界に復讐したいのだろう?』

『お前を役立たずとののしる社会に』

『醜悪な生き物とののしる男たちに』

『自分が組み込まれることのできない組織に』



見えるよ。



あんたの怒りが。

あんたの絶望が。



しかし、わたしは無力だ。

あんたも、無力だ。


獣となって、男達に恐怖を、あたえたいだろう。

独裁者となって、組織に君臨したいだろう。

社会のしくみを、半分馬鹿にしながら、ずるがしこく生き抜きたいのだろう。


でも、それができれば、わたしは飛ばなかった。

そしてあんたも、自分の心を痛めつけても、平気なふりをしないだろう。



そこのばあさんをみてごらん。

はやいか、おそいか。

自分で為すか、誰かに為されるか、天命か。

好奇心で目を輝かせながら見ている、その目も、いつか、なにも見えなくなるのだ。




それが、今日じゃないだけだ。



あんたも、それが、今日じゃないだけだ。