屋上のドアを開けて
すーっと体を包み込むふんわりとした風邪
刺し込む日差し
あたしは目を細めながら日なたの方へと行くと
フェンスによっ掛かりながら携帯を打つ先輩の姿
「あっ!」
とっさに声が出てしまったけど何て言おう
なんて頭の中でぐちゃぐちゃといろんなものを掻き混ぜる
そんなあたしを見て先輩はふっと笑ってあたしの方へと近づいて来る
「よくここで会うね?ここ、好きなの?」
そう優しい笑顔であたしを見下ろす
「は、はいぃ。す、好きです」
焦って答えると
先輩は少し腰を低くしてあたしと同じ目線になると
「俺も好き」
そう言ってあたしの頭に手をぽんっとのせた
そんな先輩仕草と言葉に顔は熱くなって
また混乱状態
べ、べつに
あたしのことが好きって言ってるわけじゃないのよ?
先輩が好きなのは屋上!
あたしじゃなくて屋上!
なんて心の中で言い聞かせる