結局あのあと一時間くらいかかって一人で資料作りを終わらし、学校をでた
「ったく、あいつ明日覚えてろよ・・・」
なんて独り言を言っていると携帯のバイブが震える
俺はため息をつき、電話に出ると甲高い声が向こう側から聞こえた
『奏〜?今どこよ〜?もう1時間も待ってるんだけど〜』
「あぁ〜。今帰り。」
『早く来てよね〜。早く奏に会いたい〜』
だりぃ・・・
内心そう思いながらも俺は約束の場所へ向かった
待ち合わせ場所に着くと遠くから手を振って小走りしてくる女
「やっときた〜。早く行こう?」
そう言って俺の手を握る女
こんな風に手を握られても何とも思わねえのに
何だったんだあれは
そんなふうにあいつを思い出している俺がいた