―はるかくん……って、誰だろ?


不思議としか言い様がないほど、不思議な夢だった。

知らないはずなのに、感じた既視感。

あの公園も、今までの記憶にはない場所だ。

それに……

それに、あの男の子。

はるかくん。

そんな男の子も見たことも、聞いたこともないはず。


「なんだけど、なぁ~」


はじめてじゃない気がする。

これは、何故か確かに感じる。


「なんだろう、この気持ち」


自分じゃ正体の掴めないその気持ちが、胸の中にじわじわ広がってゆく。


「ぅあ~!わかんないや」


髪の毛を両手でかき回して、ふぅと小さくため息をついた。


「とりあえず、起きようか……」


そうだ、母さんたちに訊いてみようかな。

そう思いつつドアを開けて、自分の部屋から出た。