結局その年のサイモンの成績は出場試合数9、うち先発出場は3、得点は2、アシスト1、チームは12位でデビューの年としてはまずまずといったところだった。

僕も何度かスタジアムまで足を伸ばし彼のプレイを見守り、お互い時間を見つけてはパブで酒を一緒に飲んだ。

サイモンはいつも代表に対する熱い想いを口にしていた。

僕も彼の右足に同じ夢を見ていた。

代表のユニフォームを身にまとったサイモンがゴールを決める姿をいつも想像し、その日が来ることを誰よりも願っていた。
 

翌年のシーズン、サイモンはさらに飛躍した。

ほぼ全てのゲームに先発出場し、見事二桁となる10ゴールを記録した。

まだ僕たちの夢が叶うことはなかったが、確実に近づいたことが実感できるシーズンだった。