サイモン・パーカーという名前を聞いてピンと来る人は、日本人はもとよりイギリス人でもそう多くはないだろう。

イングランド・フットボール・リーグ、ディヴィジョン1(二部に相当。現チャンピオンシップ)ミルウォール所属のストライカーだ。

かつてはプレミアシップ(一部に相当)トッテナムにも在籍していた僕の友人でもある。

僕がトッテナムの取材をしたのがきっかけで、僕たちは知り合った。

出身が同じリーズで、年齢も近かったことで(彼の方が二つ下になる)僕たちは会ったその日から意気投合した。
 
サイモンは決して才能が豊かというわけではなかった。

170センチを少し超えるくらいの身長しかなく、スピードもそんなにある方ではなかった。

スカウトを受けたわけではなく、練習生として入団し必死の努力で這い上がっていった。


僕たちが出会ったのはちょうど彼がトップ・チームに昇格した頃だった。