実が来てしばらくなるが、目的がいまいちわからない。

いつものように一緒に夕食を食べて……ん?


「いつのまにお前は我が家の夕食に当然のようにいるようになった?」

「ほえ? お兄ちゃんがいつでもこいっていったよ?」


心当たりがない。


「いったよ? いったもん!」

「覚えてない」


だが疑問形だったのが急に断定されると、考える。俺の記憶錯誤か若年性アルツなんちゃらかもしれない。
いや、もしかすると俺は実に騙されているのかもしれんな。そうに違いない。


「お兄ちゃん」

「なんだ?」

「昨日のディナーの内容は?」

「……………………」


なるほど。
単なる記憶力の問題か。


「負けたぜ……ガクッ」

「ん? なんかわかんないけど、アイムウィナー?」

「違うぞ、これはウィンナーじゃなくて鳥の肝だ」


まだまだ子供だな。いや外国育ちだからか? はっはっはっは……


「なぜ哀れな奴を見る目で俺をみる?」

「お兄ちゃんって面白いね」


満面の笑みで抱きつくな。微笑ましそうに眺める母親の視線が苦しい。


そもそも母さんはなぜ、実を受けいれているのかが疑問かつ恐ろしい妄想の全貌があらわになっているのだが…………