「早口さん。」 いつものように、絵を描いていた時だった。 糸のようにか細い、よく聞いたことある声が頭上から聞こえて。 私は面倒くさいながらも、静かに顔を上げる。 そして私の前に立っていたのは…、顧問の姿。 『……。』 当然、私は言葉を返すことなく、視線だけを顧問に向ける。 顧問は緊張してるのか、顔が少し強張っていた。 「えっと…、ちょっとだけ私と場所を変えて、お話しない??」 『…は??』 予想外の言葉に思わず漏れてしまったのは、私の間抜けな声。