「う…っ。ごめん、言うタイミングなくて」


これじゃあたし、ただのバカ女じゃん。

でも、そっかって怪しげに笑った龍くん。


グイッ


「わっ!?」


伸びてきた龍くんの腕に、後ろから抱きしめられる形になってしまった。


「俺の彼女、変な目で見ないでくれる?」


「み、見てないっすよ!!」


イマイチ現状が把握できないあたしは、真っ赤になって固まってた。

だ、抱きしめられてる…!?


「ふーん…?」


意味深な龍くんの声が、耳元で聞こえる。

ドキドキし過ぎて、おかしくなっちゃう。


「じゃあ俺行くんで」


最後はいつも通りぶっきらぼうに言い放っていなくなった慶太。

それと同時に、あたしも解放された。


「ど、どうしたの!?」


「んー?アイツ、昔の俺にそっくり」