「ほーら、これ忘れて行くなよ」


そう言いながら、あたしに浮輪をかぶせてくれた。


「っしゃ、沖まで泳ぐか」


「えぇ!?待って」


グイグイ泳いで行ってしまう龍くん。

他のカップルはくっついてイチャイチャしてるのに、あたしは放置。


はぁー…本当に諦めるしかないのかな…。

あたしにもう少し胸があって、ウエストが細かったら…少しはドキドキしてくれる?


グルグル巡る思いは、胸をギュッと締め付けた。




「そろそろ休憩しようか?」


「うん、お腹空いた!!」


龍くんに必死に着いていくだけでかなり疲れた。

あたしなんかより龍くんは全然若い!!


「言うと思った!!しかも今、焼きそば食いたいって思ってんだろ?」


「え!?何で分かったの!?」


すごい!!エスパー!?


「ぶはっ!!まじで!?俺がそう思ってただけなんだけど」