「壱汰…弐智佳…あなた達には絶対に…苦労させないから!」



ママがそう言いながら立ち上がった。



「ママ…私、学校辞めて働くよ!」



「ダメだ。」



そう言ったのはいっくん。



「………どうして?」



「あんなに頑張って入ったのに辞めるなんて言うな。」



「そうよ!双子であんな名門校に通うなんて…凄いんだから…弐智佳には苦労させないから…ママからのお願い。辞めないで……」



ママ……いっくん。



「すまない。弐智佳…」



パパ…



「ごめん…うん、頑張って勉強して奨学金うけれるように頑張るね!」



それしか言えなかった…
私には何もない…。