「東郷さん!」
「あ、はいっ?」
休み時間に入ると、転校生特有の質問タイムに突入した…
今まで自分は聞く側だったから…質問されるなんて初めてだから、すごく緊張する…
「東郷莱輝さんの婚約者って本当ですの?」
いかにもお嬢様って感じの女の子達に囲まれた…すごく威圧感がある。
「はい、」
「羨ましい!莱輝さんって、よくパーティーでお会いしますが…綺麗でしかも仕事もお出来になって…理想の殿方ですわ。その婚約者様とお近づきになれるなんて…あ、私は」
自分の父親の会社の話ばかりする……女の子たちにうんざりした…
私はあなたの父親の会社の話を莱輝さんにしたらいいの?そうしたら満足?
なんて思っても口に出せず…
「はい…」
と笑顔で応えるしかなかった…
「あんたら止めなよ。しょーもない…父親の会社自慢なんて、こんなところでしないでよ。」
「?」
そう、綺麗な声がするまでは。