「にちか、お前に未練なんかいらないんだ。わかったか?」


「っ、……………」


「にちか。」


「はい」



私はそう言って…電話をかけた…



『はい、もしもし』


「ママ?私だよ…」



三日ぶりに聞いたママの声…たった三日なのに…もっと前に感じるのは、どうして?



『にちか?!元気?東郷様は優しい?』


「うん、皆優しくて…すごく幸せ。毎日が夢みたいな暮らしなの…」


『そう、よかったわ。今度帰ってこれないの?ママ…にちかに会いたいわ。』



と、悲しそうに言うママ。私だって会いたい…だけど…


「ママ、私はね東郷の人間なの。もう、ママ達とは会えない。私は東郷にちか…だから。室井じゃないんだ…だからね?さようなら。」


『にちか?!まって!にちか…』



辛いから…これ以上話せばもっと辛いから…




私は電話を切った




さようなら。パパ、ママ。


いっくん。