着いた先は、バッティングセンター。

「なんでここ?永谷は打てねーだろ?」


「お前が打つんだよ。…ほら、早く打てよ。」

頭の中にクエスチョンマークが浮かんでいるであろう神風は、とりあえずバットを構えた。


---カキーン

----カキーン。


目を瞑ると、心地よい音が響く。

オレの好きな音だ。


「いつまで打つの?」

「ずっと。」

「了解。」



神風が打っている姿を見ると、嫌な事全部忘れる。肩のことも、どうでもよくなる。



神風が女だという事をも、忘れるくらいあいつのバッティングは綺麗だった。