部活は早めに終わったらしく、三時頃には部室には誰も居なかった。

いつも通り、ある奴を除いては…。


そいつの荷物を持って、グランドへと向かう。すると、たった一人で黙々と走っていた。

オレの姿を見つけて、駆け寄ってくる。


「永谷、どうした?」

「いや別に。お前を待ってた。」


「俺?」

「……ちょっと付き合え。」


荷物を乱暴に渡し、先に歩き出す。神風も半信半疑、ついてきた。