「ほんと、あんたって不器用すぎるわ~。悠弥には通じないわよ?」

いつもこの人はオレの近くにいるのか?


振り向き、顔を確認する。

「結城苓那……。」


「フルネームで呼び捨てって、相変わらずというかなんというか…」

「…何のようですか?」


オレの質問には答えようとせず、横に座ってきた。

「肩の調子はどう?」


「別に。最悪ですね」

「無理しなかったら、予選には余裕で間に合ってたわ。まあ今の状態じゃあ、絶望的でしょうけど」


分かりきったことを…。

「それが何か?」