『君が、永谷東くんかい?』

「ええ」


『多賀直哉です、よろしく』

「…知ってます」


大和に雑誌を何回も見せられましたから…とは言えない。


「悠弥になんか用事ですか?悠弥ならここには居ないですけど」

『いや、今日はきみに用事があってね。どっかで話さないかい?』


話ってなんだ?

そんなことを思いながら、近くの公園のベンチで缶ジュースを渡された。


「ありがとうございます」


『いやいや。きみ、今までに怪我して野球が出来なくなったことは?』


「一年のときに1ヶ月ほど。それ以外はないですが」