夏まであと2ヶ月しかない。

あのピッチャーを打ち崩さないと、甲子園には行けない。


しかもオレと大和の全力投球を受け止められるのは、姫川じゃない。

一番バッターも、金城じゃない。


--全部、悠弥じゃないと駄目なんだ。



あいつ、立ち直れんのか?



悠弥を捜すにもどこにいるのかわからず、結局捜せない。


そんな時、一台の車がオレの目の前で止まった。


その中から降りてきたのは……




---『多賀直哉』