「西条先輩」

「つか、俺たち三年は神風のこと、よく知ってるし。適任だと思うよな?」


西条の言葉に、口々に「そうだ」と言う声が聞こえる。

「おれも良いと思う」

「俺も」



「先輩たち、おかしいですよ。……なんで庇うんっすか」


「金城、お前にはわかんねーよ。神風の凄さは。じゃあ聞くけど、お前は神風に技術面で全部勝ってんの?」


「…ええ」

「足の速さも、ミートの上手さも。勝ってんのか?」


「それは……」


「勝ってるわけねーよな。永谷兄弟をここまで上達させたのも、東が今この場所でエースナンバーを付けてるのも全部、神風のおかげなんだよ」