あいつが持っているバットが短く見えるほど、手が長い。
あんなやつ、どこに投げても打たれるんじゃないか…？
悠弥もそう思ったから、タイムをとったのかもしれない。
随分長い打ち合わせのあと、ようやく悠弥は元の場所へと戻っていった。
…大和は何を投げる？
振りかぶって投げた球は、悠弥の構えたところにキレイに入った。
「ボール」
そしてまた、同じコースにボール一個分外して要求した悠弥のミットに大和のボールは入りかけた。
『－－－カキーン』
ミットに入る前に、バットにすくい上げられた打球はレフトのオレのとこに飛んできた。
高々と上がっていたため、しっかり落下地点に入りキャッチした。
