びっくりして大きい声を出してしまったあたしに向かって、
目の前に居る男の子は
人差し指を1本立てて
「シーっ!」
っと言った。

慌てて口を噤んだあたしを前に
男の子は小声で話す。

「仮にも授業中だぞ、お前そのリボンの色は1年だな。
 俺は2年の坂本マサト。どうせお前もさぼりだろ?」

なれなれしく話す男の子……
坂本マサトっていうんだ~、
ていうか先輩だったんだ。

「お前は?」

何も言葉を発さないあたしに気を使うように顔を覗き込まれた。