天気予報は当てにならない。


今日は晴れのち曇りで雨は降らないと言っていたのに。


午後から降りだした雨は、次第に雨足を強めた。


「ねぇ今日、カラオケ行かない?」
「やべー。傘持ってきてねぇよ」


HRが終った教室は、いつものように賑やかだ。


でも、その賑やかさの中に私はいない。


私には、この世の音は全て沈んで聞こえる。

お父さんの声も、お姉ちゃんの声も、友達や好きな人の声も。


そして、この冷たい雨の音さえも、私にはどれも同じ音にしか聞こえない……。