結局学校が終わっても、何も変わらなかった。


騒がれることも、何も一つ起こらなくて。






「ゆい今日掃除当番やっけ?」


「うん、やし先帰ってていいよ」


「わかったーっ」






ロッカーから箒を取り出して紫織に手を振る。



同じ班の子は既に掃除を始めていて。

私は適当にその辺を箒で掃いていた。






「よし、帰ってええよ」






掃除の最終確認を先生がして、やっと帰宅出来る状態に。



鞄を持って階段を下り、下駄箱でローファーに履き替えて校門へと向かった。







「ゆいちゃん」







校門を出たと同時に声を掛けられ足を止める。




なんとなく話し掛けると思っていた。

今日は、絶対に。







「…黒澤くん」








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