「あ?ゆいさんコイツ…」
背後から低い声が聞こえ、思わずハッとする。
振り返ると龍は思いっきり機嫌が悪くて。
「龍、いいから」
腕を伸ばし、殴りかかりそうな龍を静止させる。
それ以上龍は何も言わなくなり、私は再び黒澤くん達へと視線を戻した。
「華風さんって族やったん…?」
「しかも黒の特攻服…幹部やで」
私をコソコソ見て、黒澤くんの友達は青い顔をする。
そんな彼等は確か、以前私に経験人数を聞いてきた人。
隊員達がよほど怖かったのか、半ベソをかいていて。
「ゆいちゃん、白虎やったんや…」
黒澤くんはただ、目を見開いたままだった。
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