右に歩けば右を塞ぎ。
左に歩けば左を塞ぐ。
彼等はどうしても私を帰してくれないらしい。
「俺等、"死神"って族なんやけど知ってるー?」
「知らない」
「マジで?!ここらでめっちゃ有名やねんけど」
「はぁ」
ニコニコ笑いながら、死神の人達は私に顔を近付ける。
けれど私の顔は真っ直ぐ向いたままで。
「なぁー、名前教えてやー」
「…知らないほうがいいと思うけど」
「おもろいな自分!!!教えてって!!!」
私の優しさが通じなかったのか、彼等はゲラゲラ笑う。
仕方ない、な。
溜め息をついて紙袋の中身を取り出した。
「白虎連合幹部、華風ゆいですけど」
特攻服も一緒に。
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