道路の脇に座り込んでいた族の前を通り過ぎようとしたとき、不意に声を掛けられる。
反射的に振り向くと、緑の特攻服を着た集団達で。
「陣、」
「集合以来っすね、買い物?」
「たまにはね」
玄武総長、陣。
特攻服の背後には玄武連合と大きく刺繍されていて。
それを揺らしながら私に近付き、目の前で止まった。
「制服似合いますねー、舎弟くんは元気っすか?」
「キャンキャン吠えてるわ」
「なんやそれっ」
「そういや弟は?」
集団に目をやっても、弟の姿はない。
別行動?
「今走りに行ってるんすよ」
「あ、そうなんや」
「"ghost"もなかなか見つからないですからね」
やっぱり玄武も困難しているみたい。
まるでお手上げ、というように陣は肩を竦めた。
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