「……じゃあ、一本取った方が勝ちというわけで」


「了解っす!!!」






目の前で龍はやる気満々だし、紫織と蓮はワクワクしながら私達を見る。






「木刀は?」


「どうぞお好きに」







私の言葉が終わると同時に、龍は木刀を抜く。

構え、私に振りかぶった。






「遅い」






半歩下がって、それを避ける。

振り下ろした腕を掴み、龍の足を引っ掛けた。






「うわっ…!!!」


「隙ありすぎ」






後ろ向きに倒れた龍の上に座り、木刀を奪い取る。

そしてその木刀は、








「一本」








龍の鼻先で止まった。








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