それからしばらく。
売られた喧嘩に勝ち続け、ボコボコにした俺はいつの間にか3年にもびびられるようになり。
この近くの不良ですらしのぐ、悪名高い存在になっていた。
この前は、俺を知っているらしいヤンキーに肩をぶつけられ、謝ろうと目を合わせただけで
『すみませんすみません!許してください!すみません!!』
と、土下座で謝られてしまった。
俺は一体何者だ、と最近少し気にしている。
でも近ごろは喧嘩を売られることもなくなり、少し噂も落ち着きつつあるようだ。
こうして、俺の立場が出来上がったわけだ。
この肩書きは、結構役立つ。
一睨みで、璃依を野郎どもから守れるのだから。
これからも、璃依を守っていく。
そう決めた。
誰よりも強くなって、こいつのそばで。
一生。
「葵ーっ、部活行こー」
「おぅ。」
END