…え…っ??
璃依の異変には、すぐに気付いた。
背を向けていた璃依が振り返ったときに見えてしまった璃依の表情。
俺が見たこともない、女の子の顔をしていた。
ほんのり頬を染め、気恥ずかしそうに顔をそむけていて。
時折、ふにゃっと顔を緩めて。
そして、顔を真っ赤にして怒ったような表情をして。
それでも
璃依の気持ちが
あいつに対する想いが、ひしひしと伝わってくる
そんな顔だった。
たぶん、あの男は気付いている。
璃依がどれほど、自分を好きか。
そしてあの男も。
璃依を、心から想ってる。
自分が、どれだけ璃依を好きか。
知っている。
バカげてる。
迎えに行こうなんて
驚かそうなんて
思わなきゃ、よかった…。