【この会社って…ー20】




ルンルンと
仕事をこなし、
書類を運ぶ礼子。







ちょうど今は
上司に頼まれ、
見積もりの書類を
営業課に持ってきて、
渡しているところだ。









営業課の人は
書類を受け取ると、
礼子をその場に留めた。









「お~~悪いね。

ああ、あと清水課長に
持っていってほしい物
あるから、
少し待っててくれない?」








そう言い残し、
その場を離れた。







とりあえず、
1人ポツンと待つ礼子。







ただ待ってるのも暇だ。







仕方ないので、
礼子はあまり来ない
営業課の部屋を、
じっくり吟味した。






「…あら?」








そこに、
礼子の目をひいた
ある男性が気になった。






この待っている少しの間、
昆虫を眺めるように
その男を
観察しよう。




そう礼子は思った。





歳はそんなに礼子と
変わらないくらい?






ネームには、
「諸星」と書かれている。







何故、
この男性が
気になったかと言うと、

彼の電話対応だ。







その内容に
耳を傾けると…







「そうですね。

そにょ件には、
我々の上司が
かか関わっているので、
返答しかっねないのです」







噛み噛みだぁ…







面白い程噛みまくる。







あまりにも酷い。







まだまだ会話は続く。







「はい…
では明日のご午後にでも、
センコーの書類を
ていしゅしゅつ
しますね」









サンコー(三光)だろ。





自分の会社名を噛むなよ