【この会社って…ー10】




とにかく
秘密は十分過ぎるくらい
聞いた。







前の社長に
仕返ししてくれなど
何も頼まれなきゃ、

あとは
この会社に自縛霊が
いようがいまいが、
関与せず
普通に過ごすだけだ。







霊の謎も解け、

入社間もなく
礼子がこの会社に
入った理由も
なくなってしまった。







「まあいいや。

次の目標は社長でも
目指すかな」







一通りの話し合いが
終わり、

礼子はここにもう
用がない為、

帰ろうと
三山に背を向けた。






その背に対し、
三山は深々と頭を下げる







「どうも…
お騒がせしまして
本当にスミマセンでした」







「ん。いいよ。

今日は私もう帰るから
またね。

ほら行くよポチ」







そう言って
礼子はオッサンを
呼びつけた。







「私はペットじゃない!
!!!!!!!!」






ブーブーと
文句を言いながら
2人はそのまま
去って行った