教会入り口には黒ずくめのボディガードが二人立っていた。


「許可証をお見せいただきたい」


近づくなりの一言。


何のことだと俺が思っても、ラグナは普通に一枚のガードを取り出した。


「どうぞ」


取り出されたガードを見て、初めて中へ通される。


「なあ」


「入るには許可証が要りようだとホスト時にバッテラ氏三十二人目の愛人に聞いて、貰っていただけだ」


なるほど。と頷く。

ネミュレシスの指輪だ、きっと誰もが欲しがるだろう。教会外でごった返しの人がそれを物語る。


大勢が自由に中に入れたんじゃ、オークションどころじゃない混乱しか招かないだろう。


さすが大富豪、やることはきっちりやっている。