「いや、葉っぱのだ。生命樹(セフィロト)の近くでしか育たないイーリアの葉と言ってな。百年に一度しか葉を芽吹かせない希少価値が高いものだ」


「百年にって……意味なくね」


「キュー」


ポックルさんに怒られた。


「彼女の言うとおりだ、百年に一度しか生えないとなれば、種さえもまた然り。それがこんなにも貰えるんだ、逆にこちらが礼を言うべきかもな」


麻袋を懐にしまい、ポックルさんの頬を指で撫でるラグナ。とても気持ちよさそうなポックルさん、顔を赤らめてもいるし。


「彼女って……こいつメスかよ!」


「キュー」


「女の子だと言っている」


「ちょ、ラグナ。モテすぎじゃねえか、なんだ顔が良ければいいのか、そうなのかよ!」


「知らん、ただ単にこのポックルは礼をしにきただけ――」


というところで、ポックルさんがラグナの肩に飛び乗りすりすりと頬を合わせ始めた。


「……」


「キュー」


「……」


「なんて?」


「しばらく一緒にいたいらしい……」