最後まで笑っていたフィーリアが完全に消え去る。


跡形もなく、でも心にはあったかい何かが残っている。


「良かったな、帰れて」


「そうだな。――君も、よく頑張った」


「――、え」


「最後まで戦い、逃げずによくやったものだ。最終戦においては、大人に立ち向かうほど君はよく頑張った」


「誉めてんの?」


「事実を言っているだけだ」


「誉めてんじゃん」


「だから、事実だ。……まあ、誉めてほしいなら仕方がない。君の頑張りでこうしてネミュレシスの指輪を手に入れる金が入るわけだが――って、なぜ逃げる」


ラグナに鎖を出されて制止させられた。


ぐえ、となり尻餅をつく。


立ち上がり、俺を見下すやつは……怖かった。