『殺したくありません』 『なぜだ、憎いだろう。それに奴はあなたに“それだけのこと”をした。罪になどならない』 『……でも、殺したくないのです。今まで私は戦いを余儀なくされたけど誰も殺してはいません。 半殺し、殺せと要求するマスターですが私ができたのはそこまで。それ以上は……恐ろしいのです。 誰かの命は誰かのものであって、それを摘み取るのが。憎い人だってそう。――いえ、私は』