負ける気なし。
だってガキだもん。


こちらはそれなりに体術を学んでいると奢ったジャラシーの敗因があった。


彼は知らないのだ。


知るのは、ガキの顔に渾身の一撃をくらわすときに。


ガキが持つ剣の特性を初めて知った。


「がっ!」


弾かれた。
体がのけぞり、転倒する。


尻餅をついて、すぐさま立とうとするが。


「っ、この!」


ガキが馬乗りになり、剣の切っ先をジャラシーの顔に向けた。


ぜえぜえと息を乱すガキでも、剣は震えずにただ――



「フィーリアとの縁を切れっ!」



真っ直ぐに“想いだけ”をぶつけていた。