なんで、知ってんだ。

確かに遅れた。でもその理由が、誰かと会ったからなんてまだ俺は一言も言っていない。



「女生徒?本当か」


「嘘なんかつかねえよ。なに?クリア知ってんの」


「いや……。しかし、君から……“気配”が」


ほんと、珍しいラグナだ。


何でも分かりきった達観していた奴が、どもってる。


ラグナ自体が何かを感じたものの、何かをわかりきっておらずにこんな表情をしているのか。


しばらく愉快……違った、見てて面白いけど、不思議な表情したラグナが首を振ってまた全てを達観するお高く止まった表情に戻った。


「俺の気のせいだ、気にするな。ああそうだ、でなければ困る」


「お前……、時たま、わけわかんねえよな」


「君は知らなくともいいことだ」