【燃呪、灰すらも残すこと許さず】
人形を燃やした。
真っ赤な炎で一気に燃焼される。
燃えカスすらも床に落ちる前に消えて、跡形もなくさっぱりと――
「うわっち!」
またもや『なぜか』が起こる。
体全体が一瞬、熱を帯びた。
声出したときは体ごと跳ねたが、今になっては体温は正常になっている。
「な、なんなんだ」
「気にするな」
「いや、するし……。って、おま!呪いか、呪いなのか!」
「既に解呪はしてある。あの人形は君をかたどった“傀儡”だ。俺の手の上で思い通りに動く傀儡。君が来ないから無理やりにでも、ここに戻させるために作ったものだ」
「いやいやいやっ、なにお前。そんなおっかないもん作れんの!」