* * *
「なんだ、戻ってきたのか」
控え室の扉を開けるなり、感情がないラグナが俺を迎えた。
出たときとそれほど変化なく、ラグナは椅子に座っている。
抱えていた剣は机の上へ。
もうラグナにとってみれば準備は済んだのだろう。
「もうじき始まるそうだ。先ほど、呼ばれた。……おい、聞いているのか」
「……、お、おう」
「こちらは君を待っていたんだ。話しぐらい、俺の目を見て聞け。怯えた態度をとられては、話す気も失せる」
「す、すまない」
「……何かあったのか」
「その、だな……。あれ、お前、なに持ってんの?」
ラグナが右手に持つものに今気がついた。
最初、ポックルさんでも持ってんのかと思ったが違う。