分からなさそうで分かるような言葉だ。


昔、クリアは妖精のいたずらに巻き込まれた。


三週間、家に帰れず、女神様とやらが助けてくれたらしいが。


「幼い子供の声は、どこにでも繋がるの。大人はみんな子供の声に敏感だから。女神様は人一倍、ううん、子供じゃなくても色んな世界の声を聞くことができるの。

戯れ。そう言って女神様は音楽を聞くのと同じように、あらゆる世界の声を聞くのだけれど。その日は違ったの。

聞くだけじゃなく、“喚ばれた”んだって」


「よばれた……?」


「召還みたく喚ばれたから女神様は来てくれたの。じゃなきゃ、私の声は聞こえても、聞き流されていたはずだから。

女神様も驚いていた、感心していた。『死ぬ間際の声ほど届きやすいものだな』って。

倒れて、ひゅーひゅー息をしている私を抱えてくれた女神様はとっても優しかったの」