簡素にまとめやがったラグナ。


どうやら一人でぶらぶらしてこいと言いたいらしい。


「俺が離れてもいいのか」



「別に、五キロ、十キロ離れるわけでもないだろう。君との限定はそれなりの距離のみで発動する。まあ、もっとも。おめおめと君が、俺を残し逃げるのならば話は別だが」


「だあれが、逃げるかっ」


ふん、と言って皮袋をかつぎ、部屋を出る。


一度振り返り見たが、ラグナは目を瞑っていた。


その腕には他者を傷つける剣を抱えて。