中は薄暗かった。

窓がなく、灯りとなるのは壁に吊されたランタンの光のみ。


石造り、長方形のレンガを積み立てて地道に作られた感じの荒い壁だ。


触れば、欠けるし。


慌てて手を引っ込めたが、前いく奴らはこちらを気にもしていない。


重苦しい空気。実際、二酸化炭素濃度が高そうだ。



歩いていく内に、扉を何個か通り過ぎて。


｢時間までこちらで待つように願いたい｣


扉を開けた兵士の一言。それだけのことをして、兵士は行ってしまった。


愛想もなんもねえ、とも仕方がないか。


見た感じ、やっぱり兵士も柄悪いし。ここら一帯はどうやらごろつきの縄張りにもなっているみたいだ。


｢お、い……｣


ラグナが扉を何のためらいなしに開けた。


すたすた進むので俺も後追う。