「もう、疲れちゃった~!やっと練習終わったよ~。監督がなかなか終わらしてくれなくて!」


翔ちゃんは机に座ったままで、ゆっくりと振り返る。


「…だから、勝手に部屋に入るんじゃねぇって…いつも言ってるだろ…」


いつもにまして、低い声。いつもにまして、怒った声。


やばい。翔ちゃん今日は特に機嫌悪いかも!


「帰るんなら加奈のうちに帰れ!部活帰りに俺ん家寄る必要ねぇだろ!
俺はお前に構ってるひまねぇの!」

「ひ、ひど!翔ちゃん!可愛い彼女に向かって…なんてひどい事言うの!」

「…だから、俺は勉強してんの!受験生なの!受験落ちたら、加奈が責任取ってくれんのかって!」

「え~?責任ってどうやって?あ、結婚するとか?あはは~」


私は完全に、翔ちゃんの地雷を踏んでしまった。