私の視線に気付いた少女はニコリと微笑む。どうして笑うのだろう、気分を悪くしただろうに。理解に及ばず視線を投げたままにしていたら彼女の方から口を開いた。 「ね、一年生?」 ああ…まあ… 私の曖昧な返事にも少女は真摯に反応を寄越した。へえ、とか、そういう。 「一緒だね、何ちゃん?」 訊かれて居るのは私の名だ。私の、名前は。 「笹川、奈也…」