ベッドに寝転び、深いため息をつく。


大変なことになった。

午後3時からの会議じゃ、絶対に遊園地なんて行けない。

上手くいっても、だいたい会議は、たっぷり3時間はかかるもんだし。


終わってから行こうと思えばできるだろうが、遊べる時間も、昼間から遊ぶのとじゃ少なすぎる。

企画にデカい金が絡むなら、より慎重に事を勧めなければならない。

そんな簡単に終わる議題じゃないってことだけは確かだ。


「マジでどうしよ……」


杏のことだ。


『え? 会議? それじゃ仕方ないね。頑張って!』


と、笑顔で言われるか。


『陸のバカ~! せっかくのホワイトデーなのに!!』


と、泣きながら怒られるかだな。

うわ。両極端だな、おい。


いや、どっちかっていうと。

最初の方の可能性が大きいかもしれない。


アイツ、甘えん坊だし、泣き虫だし、ガキだけど……妙に、冷めているというか、あっさりとしているというか。

時々『俺のことホントに好き?』と、尋ねたくなるから。



その晩、俺は翌日、杏にどう言おうかと悩みながら、仕事をこなした。