LOVE☆LIFE 〜幼なじみレンアイ㊤〜




「アンタよりは良い偏差値持ってると思う!」


『ケッ!笑わせんじゃねーよ、こんだけしてて分からねぇんじゃ相当イタイなオマエ。』


『最後には犯されっぞ!』なんて、また物騒な事を言いやがるクソッタレ誠二。


「アンタぐらいだろうがっ!アタシを犯そうとするヤツは!」



……ニヤリ。


え?…ニヤリ?
ナゼここで微笑むんだ!?
誠二さんよ!


『何だ…ちょっとは分かってんじゃねぇか。』


何がだ!?
アンタがアタシを犯そうと付け狙ってるって事がか??
それだったら今すぐ警察にツーホーしなくちゃねっ!





「…やっぱ犯罪者だわアンタ。」


『この場合その理屈は通用しねぇなぁ、だってソレ完全に誘ってるとしか思えないけど?』



え?ソレってどれ?


誠二の視線を辿ってみると……


ギャーッッッ!
アタシのピンクのブラがシャツからはみ出しまくってるーーーー!!!



『オレに犯されても文句言えねぇぞ。』



なんて、涼しいカオして言うんじゃねぇ!!!




「アンタがやったんでしょうがっ!」


クククっと笑いながら『以外とオマエ下着に気合い入れてんのな?』なんて、今すぐアタシに息の根を止められても文句なんざ一言も言えないような事をほざいている。


「もういいわ、疲れたから帰る。」


アンタと居るとエロイ事しか起こらない!


『オレの夕飯まだだけど?』



頼む…


誰か今すぐコイツを抹殺しておくれ!


犯されそうになったヤツに、メシを作るお人好しがどこに居る!?
ある意味“おしん”より酷いぞ!!


『あ~ハラ減ったなぁ。ハラ減りすぎて餓死しそうだなぁ。早くしないとおばさんにチクっちゃいそうだわオレ。』


ここでオカンを出すなーーー!!


しかし…ハムラビ法典な母には勝てん…。


シクシク…

メシ作ろう。


絶対に絶対に誠二を一発で“痔”にさせるような、悶絶激辛料理にしよう!!!


待ってろや誠痔!!!




それからシクシクと心で泣いて顔で笑ってのように、健気に夕飯をこさえるアタシ。


誠二のバーロー!!!


オラッ!これでも食らえっ!!!


ボチャッ…


あっ、豆板醤がカラになっちゃった。テヘッ!


ま、いっか♪


どうせ痔になるのは誠二だけだし。



そういえば、昼休みに誠二にココまで強引に連れられて来たせいで、学校にカバン置きっぱなしじゃんか!


「ちょっと誠二!アタシ学校にカバン置きっぱなしなんだけど!今すぐ取って来いや!」


人にメシ作らせておいて、自分はソファーで新聞なんざ読んでいる。


『大丈夫だ、これから類と雅也が届けに来る。』


え?あ、そうなの?
んじゃついでだからフェロモン三兄弟にも痔になって貰おうかな。
その方が世の為、人の為、美女達の為だ!


ケケケ!早く来い!フェロモン三兄弟!


ピンポーン♪


何も知らずにフェロモン三兄弟が来日した。


「誠二、持って来てやったぞ、一つ貸しだからな。ナツのカバンだホラ。」


ありがとうルイ姉さん!
やっぱりルイ姉さんだけは痔にしちゃ可哀想かしら。


「ナツのカバン重いんだよ。ったく何入れてんだよ?大量の化粧品か?その割には全然顔がノッてねぇな。」


…のっけからコノヤロウ!


雅也は“痔”決定ね!
まぁ最初っから決定してたけど、絶対にね!!
オマエみたいな鳥頭と違って、アタシはちゃんと勉学にも励んでんだよ!


『悪かったな、助かったぜ。』


ソファーから全く立ち上がりもしないフェロモン三兄弟のボスは、労いの言葉も偉そうにしか言えないらしい。


「それで?結果はどうだった?」


ルイ姉さんが、早速アタシには理解不能な言葉を吐いた。

結果って何の結果?


『あぁ、見ての通りだ。』


ルイ姉さんと雅也がナゼかアタシを見た。
そして2人同時に盛大にため息をついた。


…気分悪っ!!!
人の顔見てため息吐くな!


「やっぱりな…、ナツは恋愛偏差値ゼロだからな。」


そりゃヒドイよルイ姉さん!


「ナツが成長してたのは、やっぱ身体だけだったか…。」


雅也は黙ってろ!!!


完全に気分を害したアタシは、激辛悶絶麻婆豆腐を残して、この部屋を出ようと心に決めた。


「類と雅也もご飯食べて行きなよ!」


可愛らしいアクマの囁き!


「おっ、ナツも気が利く所あんじゃん。」


何も知らず、バカ正直に素直な2人だ。


そうだよっ!
ついでに辛味も利いてるよっ!
ケケケッ!!


3人揃って悶絶しやがれ!


「もうそろそろお母さん帰って来るから、アタシ帰るね。」


それではみなさんサヨウナラー!
ちなみにトイレは順番に行くのだよ!
間に合わなくってもウチのトイレは絶対に貸さないよ!ケケケ!!!


グッバイ!




『ナツ…、オマエまたやったな?』



ギクーーッ!
フェロモン親玉は相変わらず勘が良いようで、ギロリと睨みを利かせて来る。


っつーかやらねーワケねーだろっ!
これまでの恨みだ!恨み!思い知れ!


「何の事?まぁ、念のためにピザでも注文しといた方がいいかもね。」


最後の情けで、そう教えてやった。
アタシって本当に泣きたいぐらいに“おしん”だワ。


バハハーイ!と別れを告げて颯爽と部屋を出る。



まさか、その後フェロモン三兄弟がナツ談義をしているとも知らずに。