アタシの目の前で止まった誠二の上履きを、じっと俯いて見つめて居る事しか出来なかった。


『ナツ、こっち向け。』


う゛…怖いよ誠二。
怖いんだよっ!!!


「……。」


『シカトか?じゃあムリヤリにでも言わせる。』


そう言ってアタシの腕をムリヤリ引っ張って歩いて行った。


そして何も言わない誠二に、何も言えないアタシが辿り着いたのは、誠二の部屋だった。


当然な事に学校はサボってしまった。


『入れよ。』


相変わらず怖いモードのままの誠二。


本当は途中で、いつものように冗談言ってくれるかと思ってたけど、全然何も言ってくれなかった。


バタンっとドアを閉める音が部屋に虚しく響く。


毎日来ている部屋なのに、何だか今は心細かった。