『何で覗き見してた?』


気怠そうに屋上のフェンスに寄り掛かりながら、腕を組んで問い詰めて来る。


「…言いたくない。」


目の前には久しぶりに真面目な態度の誠二。


『…怒るぞナツ。』


何よ!フザけてない誠二なんて面白くも何ともない。ちょっと偵察しちゃっただけじゃん。


久しぶりのお怒りモードの誠二に免疫が無くなってたアタシは、気まずくて怖くて話が出来ない。


『ナツコ、言わないならムリヤリ言わせるぞ。』


ガシャンと音がして、フェンスから離れてアタシに向かって誠二が歩いて来る。