それから4年後、ボブは亡くなった。

僕はその頃ロンドンに住んでいたのだが、休日を利用して久しぶりにあのパブを訪れたとき、店主がそれを教えてくれた。


「半年ぐらい前に死んだよ」と店主は言った。「肝臓に腫瘍が見つかったんだ。肝臓ってところは厄介でなかなか自覚症状が現れないんだ。気づいた頃にはもう手遅れで、あちこちに転移して身体中メスで切り刻まれお終いさ」
 

もちろんそのことは僕に少なからずのショックを与えた。

しかし僕はすぐにそれを受け止めた。

4年という年月とはそういうものなのだ。

人が死ぬには・・・、人が癌に侵され、身体中メスで切り刻まれ死んでいくには十分な時間なのだ。