先に口を開いたのはボブの方だった。


「お前さん、歳はいくつだ?」
 
僕は自分の年齢を答えた。


「そうか、おれの娘も同じくらいだ。去年嫁に行きやがった。妻が死んでから男手一つで育てたんだぞ。そりゃ大変だった」


「再婚は考えなかったんですか?」


「ばか言え」とボブは言った。「そんなこと考えたことは一度もねえ」


「今でも奥さんのことを愛しているんですね」